子なしのこと

不妊治療終結後の子供がいない女性には看護を検討?置きざりだった私たちの気持ち

おはぎです。

昨日のお昼休憩中に、何気なく見ていたヤフーニュースでとても興味深い記事を見つけ、目が釘付けになりました。

不妊治療に伴う仕事や費用、時間など、目に見える負担については支援が届きやすいが、治療の断念からくる心理的負担については、支援が不十分だと香川教授は指摘する。香川教授は「不妊治療の目的はいかに妊娠させるかで、うまくいかなかった場合のケアはおろそかにされてきた。不妊治療がうまくいかないという経験は、アイデンティティーの喪失にもつながる」と語る。【菅沼舞】

この記事に書かれていることすべてが全くその通りだと、首がもげそうになるくらい頷きました。

不妊治療をするにあたり、助成金や保険適用など国や自治体から金銭的にサポートが受けられる時代になり、不妊治療のために仕事に遅刻したり休むことについて理解を得ようという働きが広がりつつあるように思います。

また、不妊治療中のメンタル面のケアについても、厚生労働省が今後の課題に盛り込んでいたり、不妊治療を支援する団体などが多数存在します。

妊娠できたら、出産出来たら、その間には子供が育っていく過程の妊娠中のマイナートラブルの軽減、産後の母体の回復、こころのケア、 育児サポートなど、国も率先して産前・産後サポートに取り組んでいます。

それでは不妊治療を子供を授かれないまま断念した私はどこに助けを求めたらいいの?

不妊治療終結後、子供を産めなかった私はどこにも助けを求めることができず、そういう場所を探してきましたがほんの少ししか見当たりませんでした。

そういう意味でも、不妊治療敗戦組へ目を向けていただけたことはとてもありがたいことだと思いました。

この記事を読んで私が感じたことやこれまで思っていたことなどをご紹介します。

不妊治療後の子供がいない女性に看護支援を提唱した関西大の香川香教授

関西大の香川香教授(臨床心理学)は、不妊治療を断念した女性が、子のいない人生をどう捉えているのかを調査し、支援に生かそうとしています。

論文は少し難しくて解釈が間違っていたら申し訳ないのですが、かいつまんで要約してみました。

関西大学の香川香教授は、臨床心理学の研究テーマとして不妊治療後子どものない人生の捉え方を研究する中で、治療を終結した女性に対して、「子どものいない人生を前向きに捉えること」、「治療体験に対して重要他者から労い・承認が得られる支援」、「生き方を示すモデルの提示」、「自分自身を縛る価値観の変容」などの働きかけが自分らしい生き方を見出す過程において影響が大きいと結論付け、不妊治療終了後の子供がいない女性には求められる看護支援を検討する。

私が不妊治療を経て子供がいない人生を進んでみて思ったことは、不妊治療が終結=問題の解決というわけでは決してなく、むしろ人生の新たな課題が山積となって押し寄せる上に、メンタルはズタボロになりがちです。

この時期には何かしらのサポートがあったら良かったなあとこれまでの経験を振り返ってつくづく思いました。

不妊治療中や、産前・産後だけではなく、不妊治療終了後にも助けが必要なんだ、ということを提唱する記事を目にしたのは初めてのことかもしれません。

香川香教授には、よくぞこの点に着目してくれた!と大変ありがたく思います。

不妊治療終了後に苦しいこと

不妊治療を断念し子供を授かることなく夫婦二人の道を進む場合、残された課題は多く降りかかることとなると思います。

人生をどうリスタートさせたら良いのか、不妊治療をするために仕事をセーブしたもののどう過ごしていけばいいのか、子供を持ちたかった気持ちとどうやって決別するか等。

人によっては仕事を断念して不妊治療に専念することとなった方もいらっしゃるでしょう。

目に見える課題やその後のライフプランの練り直し、自分の心との向き合い方などが大きな課題となります。

私の場合辛く感じることのほとんどは「心」の部分でした。

けれど、不妊治療終了後に不妊治療したことについてやその後の人生や、はたまた心の落としどころについて、誰も教えてくれません。

自分で納得して答えを出して進んでいければいいのですが、時々つまずいてしまったり、知らずのうちに悲しみの渦に巻き込まれていたりと、なかなか心の落としどころを見つけることが難しいと感じています。

不妊治療終了を納得してたとしても残るしこり

私の場合は8年間の不妊治療についてやり切ったという気持ちもあり、不妊治療したこと自体に後悔はありませんが、それでも心がすっきりとはならないものです。

私たち夫婦はこれまでずっと二人だけで、不妊治療を終えたからと言って何かを失ったわけではありません。

それなのに、不妊治療終了後は大きな喪失感のようなものを抱くこととなります。

「単に目標を失っただけじゃない?」

と思われる方もいるかもしれません。

それももちろんあるのですが、自分のアイデンティティが揺らぐような気持ちに苛まれます。

10代20代ならまだしも、40才を過ぎて自分の核が揺らいでしまうなんて事は、普通に生きている中ではごく稀なことだと思います。

楽しく過ごしていても時々心がちくりと痛む、何かしこりのようなものがこれからもずっと残ってしまうのかなあと感じています。

心のケアは自分次第だけど仲間は必要

以前、不妊治療をしても子どもに恵まれなかった気持ちを共有できる場所についてご紹介させていただきました。

こちらで紹介した団体に入会していますが、残念ながら未だイベントなどには参加せず、送られてくるメルマガを眺めてばかりです。

その理由は、イベントの多くが不妊治療中の方向けばかりで、不妊治療終了後のイベントがほとんどない事です。

参加できる機会を待つばかりですが、そうこうしているうちにも心の波が押し寄せたり、引いて行ったりしているのが現状です。

不妊治療終了後に心のケアができる人間というのは今のところ家族か自分しかいないんですども、それ以外にも、私にはSNSなどに仲間がいます。(いると思っています。)

同じような境遇の多くの方々が、それぞれ試行錯誤をして自分を納得させているのだろうなあと思う発言も多々お見掛けしました。

共感し合って自分を振り返り、時には真似してみようかな?と思ったり、自分には思いつかない考えに共鳴したり。

そういう意味で、私の場合はSNSなどを通じてサポートのようなものを受けてこられたように感じました。

人は一人では生きられないと言われますが、このような状況下では仲間は必要不可欠だと思います。

まとめ

子供に恵まれないまま不妊治療を終え、これまでに感じたことは、やっぱりその後も辛い、でした。

治療終了直後よりはだいぶ楽にはなっているかもしれませんが、まだまだ道のりは長いような気がしています。

また、あまりこういうネガティブなことを発言される方をお見掛けしないので、不妊治療終了後の何とも言えない気持ちなんてあまり発言しないほうがいいのかな...等、思うこともありましたが、この記事を読んで、やっぱり今は辛くてもいいんだ!と気持ちがグラグラ揺れる自分を正当化できたような気がします。

そのうち数年後にでも、香川教授が提唱するケアが必要だという流れとなり、不妊治療終了後に子供に恵まれなかった方々が、そのまま自然な流れで不妊治療院や不妊治療をサポートする団体などで、人生を前向きにリスタートする支えが受けられる環境となれば、本当に素晴らしいことです。

今後は、前向きな私はもちろん、後ろ向きの私も自信をもって受け入れていける強さを持ちたいなあと思います。

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